2005-01-01から1年間の記事一覧

武田徹『偽満州国論』

武田徹氏が扱う素材は、私のストライクゾーンにズバっとはまる。本書では満州、『「隔離」という病い』ではハンセン病、『戦争報道』ではジャーナリズムと戦争との関係、『「核」論』では原子力を取り上げていて、その着眼点にセンスを感じる。本書では満州…

ありがたく頂戴するけどさ

親父から 『嫌韓流』(山野車輪) 『あの夏、少年はいた』(川口汐子、岩佐寿弥) 近ごろ話題の『嫌韓流』は、親父が友人からもらったらしい。『あの夏、少年はいた』は、「つまらないからお前にやる」とさ。それより『風味絶佳』とか『ヴィーナス・プラスX…

見沢知廉死去

作家の見沢知廉さんが亡くなりました。 <訃報>見沢知廉さん46歳=作家 飛び降り自殺か 獄中をリアルに描いた小説「調律の帝国」などで知られる作家、見沢知廉(みさわ・ちれん<本名・高橋哲央=たかはし・てつお>)さんが7日、横浜市戸塚区の自宅マン…

もう七日なのか

恒例の文芸誌チェック。 新潮…清水博子「vanity」、多和田葉子「U.S.+S.R. 極東欧のサウナ」、桐野夏生「糞の魂」、嶽本野ばら「シシリエンヌ 後編」、島田雅彦+中沢新一の対談「列島文化防衛論」、金原ひとみ+斎藤環の対談「女性性の根源へ」、A・ソクー…

木佐芳男『<戦争責任>とは何か―清算されなかったドイツの過去』

著者は読売新聞の元記者で、記者らしく数多くのドイツ人研究者の元へ足を運んでいる。本書は、その豊富なインタビューを中心に進んでいく。 ドイツの戦後処理は肯定的に評価されているのに、日本の戦後処理は「誠意ある対応をしていない」と非難される。この…

仲正昌樹『お金に「正しさ」はあるのか』

「仲正氏の本がどっかにあったはず」と探して見つけたのがこれ。何の目的があってこの本を購入したのか、全く覚えてない。衝動買いだったのかな。贅沢なものよのぅ。 抽象的になりがちな貨幣の性質を、『ヴェニスの商人』(シェイクスピア)、『ファウスト』…

宮崎駿『風の谷のナウシカ』全7巻

『風の谷のナウシカ』全7巻を読了。アニメージュコミックス・ワイド版は脆いから、1・2巻はもうボロボロですよ。でも愛蔵版は高いですからね… 私は散々「ナウシカは漫画版のほうが面白い」「漫画版を読むべきだ」と周囲に吹聴してきたんですが、今回読み直し…

宮崎駿『風の谷のナウシカ』

これまで何十回と観てきたナウシカを懲りずに鑑賞。これから漫画バージョンをキッチリ読み直すつもりなので、そのための前座です。感想等は漫画バージョンを読んだ後に、漫画版と映画版の比較として触れるつもりです。 漫画版をこよなく愛する私としては、映…

終戦60年スペシャル

終戦60年スペシャル 「戦争責任」徹底考察… ってな感じで、一人で盛り上がってます。 今後読む本を予告しておきますと“戦争責任”とは何か―清算されなかったドイツの過去 (中公新書)作者: 木佐芳男出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/07メディア: 新…

R.v.ヴァイツゼッカー、山本務『過去の克服・二つの戦後』

超有名な「五月八日演説」と、その他に5つのヴァイツゼッカー演説が収められていて、終盤には訳者である山本務氏の論考がある。「五月八日演説」は1986年に岩波ブックレットで『荒れ野の40年』として出版されており、そちらの邦訳の方がよく知られているはず…

坪内祐三『靖国』

イデオロギー的な側面ばかりが強調される靖国神社。坪内氏は、そんな靖国神社や九段界隈の「土地に宿る記憶」を掘り起こそうと試みる。 明治から大正、そして昭和にかけて、「天皇」という、きわめて多面的な意味を持つ「機能」が、ある種の人々によって利用…

靖国神社へ

終戦記念日の今日、靖国神社に行ってきた。小泉首相が参拝するなら是非この目で見たいと思ったからである。まぁ、結局首相は来なかったんだけどね。 靖国神社には過去二度訪れた。最初は2年半前の冬だった。親友と女性を巡ってトラブルになり自暴自棄になっ…

感謝感謝でございます

『監督不行届』(安野モヨコ) 大学時代の友人から、誕生日プレゼントとしていただきました。いやぁ、これ欲しかったんですよ。序盤をパラパラと読んでみたのだけど、これがメチャクチャ面白い。後でゆっくり読みますかね。どうもありがとうございました〜。

高橋哲哉『靖国問題』

靖国問題 (ちくま新書)作者: 高橋哲哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/04/01メディア: 新書 クリック: 75回この商品を含むブログ (246件) を見る

奢っていただいたおかげ

『文學界 2005年9月号』 『土の中の子供』(中村文則) 昨日学生時代の友人に飲み代を奢ってもらったことと、今日ちょいとバイトをしたことで、わずかに金銭的な余裕が出来たので。『文學界』は落語特集、中村文則インタビュー、内田樹の「ユダヤ文化論」最…

郵政民営化関連法案

参議院本会議で否決されました。 投票総数233票、賛成108票、反対125票とのことです。 法案に反対票を投じた自民党議員は、以下の22名。 長谷川憲正、吉村剛太郎、河合常則、岩永浩美、田村公平、荒井広幸、桜井新、中川義雄、中曽根弘文、狩野安…

金欠で迎えた7日

今日は文芸誌の発売日。と言うわけで、気になったものをメモ。 文學界:特集「落語研究」、中村文則インタビュー、絲山秋子「沖で待つ」、田口ランディ「時の川」、中原昌也「大集合!ダンサー&アクターズ」、内田樹「私家版・ユダヤ文化論 最終回」 群像:…

モブ・ノリオ『介護入門』

YO、朋輩!第131回芥川賞並びに第98回文学界新人賞受賞作、『介護入門』を読み終えたぜ。草キメながら祖母の介護に精を出す30前の男が主人公で、極端に改行の少ないモノローグだ。無職であろうが、大麻を吹かしていようが、主人公の価値観は至極まともなもの…

死ぬ夢

自分が死ぬ夢を頻繁に見る。一番多いのは銃撃されるパターンで、ナイフで刺されることもたまにある。零戦に乗って撃墜されるなんてこともあった。痛みを感じることはないのだが、「これは夢だ」という意識が全くないため、パニック状態に陥る。死の恐怖を擬…

江原由美子・金井淑子『フェミニズム』

広く浅く書かれているし、紹介されている参考文献も多いので、入門書としては最適だと思われる。でも、ちょいと刺激が足りなかったかな。まぁ、今後バトラー、セジウィック、クリステヴァ、スピヴァク、ドウォーキン、上野あたりを読んでいきますかね。 仏教…

ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』

叔父によって父を殺され、母と王位を奪われた王子ハムレットは、復讐を誓い狂気を装う。しかしハムレットは「To be, or not to be: that is the question」と悩む。私が読んだのは小田島雄志翻訳バージョンで、この有名な台詞を「このままでいいのか、いけな…

三池崇史『着信アリ』

監督は三池崇史、原作は秋元康、出演は柴咲コウ、堤真一、吹石一恵、石橋蓮司。 主人公が自らにかけられた呪いを解くために、呪いのルーツに迫るお話。って、よくあるパターンですよね。お兄さん食傷気味だよ。おそらく一人で観れば、怖さも全然違ったのでし…

花村萬月『汀にて』

王国記シリーズの第三弾。教子視点の「汀にて」と、赤羽視点の「月の光」が収められている。 「汀にて」は、朧と教子が修道院から逃亡し、長崎の五島列島を旅する話。教子は旅先で触れるものや朧との性交を通して、宗教、神、祈りについて思索を深めていく。…

杉浦日向子死去

文筆家の杉浦日向子さん死去=江戸風俗を漫画やエッセーで 江戸風俗をテーマにした漫画やエッセー、風俗研究で知られた文筆家の杉浦日向子(すぎうら・ひなこ、本名鈴木順子=すずき・じゅんこ)さんが22日午前4時32分、千葉県柏市の病院で下咽頭(いんとう…

感激!

大学時代の友人から、誕生日プレゼントを頂きました。 『街物語 ドイツ ワールドガイド』 独仏にはかなり興味があるんですよ。メチャメチャ嬉しいです。本当にありがとうございました。文章量が多めなので、かなり楽しみです。むふふ。 追記:↓ドイツ特集だ…

大石裕『コミュニケーション研究―社会の中のメディア』

メディア論、コミュニケーション論の教科書といった内容。様々な理論が紹介されているが、概略を述べるにとどまっているので、詳しく知りたければ別の文献に当たる必要がある。また1998年に出版された本であるため、インターネットや情報化の考察は古く感じ…

奥菜恵離婚

ちょっとビビったので。 離婚|渋谷ではたらく社長のblog 本日、妻と離婚しました。 〜略〜 離婚は唐突に聞こえるかも知れませんが、つい先日、 解決し難い問題が生じました。 結婚生活は1年半。

『いじめの時間』

感想は気が向いたら。とてもレベルの高いアンソロジーでした。 それにしても、誕生日にイジメをテーマにしたアンソロジーを読むなんて…いじめの時間 (新潮文庫)作者: 江国香織,角田光代,稲葉真弓,野中柊,湯本香樹実,大岡玲,柳美里出版社/メーカー: 新潮社発…

24歳になりました

本日で24歳になりました。 どんな誕生日だったかと言いますと、朝飯も昼飯も食わずに図書館に籠もっていました。帰ってからMXテレビで『機動戦士Zガンダム』を見ました。6時半を2分ほど過ぎていたため、オープニングテーマを最初から聞くことが出来ませんで…

ブログ書く人の気持ち

web

ブログを書く人の気持ちって・・? ↓このようなご質問が、YOMIURI ONLINEにございました。 ふとギモンに思ったのですが、ブログを書く人の心境ってどんなものなのでしょう?私だったら、仲がいい友達や家族など親密な人でない限り私生活や自分の心境について…