永江朗『インタビュー術!』

ダ・ヴィンチ』を継続的に読んでいたことがある。永江朗という名前はそこで知った。プロフィールの欄に「哲学からアダルトビデオまで」と書いてあり、私はその言葉に惹かれた。以来「AVから現代思想まで(永江朗氏のマネ)」を標榜するようになった。勿論この「(永江朗氏のマネ)」もきっちり記しておく。まあ、標榜といっても仲間内での話だが…
本書は20年以上インタビューの仕事をしてきた永江氏が、インタビューとは何か、どのようにインタビューを行っているか、過去の優れたインタビューをどう読むかを綴ったもの。分かりやすくて非常にタメになる。読み終わってさっそく誰かにインタビューしたくなった。
1年半ほど前、友人に会話のコツ、インタビューのコツをみっちり叩き込まれた。それ以来会話に対する考え方が一変したのだが、その叩き込まれたものと本書の内容が一致していた。例えば次の文章…

話を聞いているときは、相手の目を見る。ときどき相づちを打ったり、「そうですか」「そうですね」と合いの手を入れる。べつに相手の意見に同意を示すのではなく、「私はあなたの言葉を聞いていますよ」ということを表わすためだ。
(P.56)

これなんか、全く同じことを言われた気がする。いま考えれば基本中の基本なのだが、以前の自分はそんな基本も知らないような阿呆だったわけだ。その友人が度々呆れていたのも無理はない。別に友人も本書を読んでいたなんて言うわけじゃなくて、改めて友人の凄さを思い知ったわけである。
巻末にブックガイドが付いている。この中で私が読んだものは、本多勝一『日本語の作文技術』、山際淳司スローカーブをもう一球』くらい。手元にあるけど読んでないのが、竹中労『決定版ルポライター事始』、高木徹『戦争広告代理店』、マルコムXマルコムX自伝』、永沢光雄『AV女優』。

インタビュー術! (講談社現代新書)

インタビュー術! (講談社現代新書)