『生命とは何か』エルヴィン・シュレディンガー

『生命とは何か』エルヴィン・シュレディンガー
今回は、「波動力学」や「シュレディンガーの猫」で有名な物理学者シュレディンガーの著書『生命とは何か』。私が知ってるのは名前だけだな。以下、いつものように引用・要約。
物質というものは基本的に、エントロピーの増大に向かっている。どんな物質も放っておけば無秩序な状態に向かい、周囲の環境と区別がつかなくなる。ところが、地球上の生命は秩序を作り、それを維持しようとする。個体としては死んでしまっても、その秩序や仕組みを次世代に継承している。エントロピーの増大を拒否しているかのような生命の活動を、シュレディンガーは「負のエントロピーを食べている」と表現した。
物理学の原則には、ふつう決定論が貫いている。しかし、

物質のふるまいには決定論的ではないところもある。このとき量子論の一部では、この決定論的ではないところを確率的に解釈して乗り切った。
―略―
けれどもシュレディンガーは、この解釈には不満だったのだ。なぜなら物質も、物質でできている私も、どう見ても確率的なものとは言えない何かを秘めている。

ここら辺の詳細は分からないが、何となく面白いですね…
悩んだ彼は、原初の進化は突然変異のような不安定な活動であって、そこから安定した種の進化が出てきたのではないかと考えた。
シュレディンガーは、若い頃に読み耽ったショーペンハウアーを通してインド哲学、とりわけヴェーダンタ哲学に興味を持っていた。そのインド哲学を、彼の物理学や生物学に援用した。

このとき浮上してきたのがインド哲学における「梵我一如」の思想だったのである。ミクロコスモスとマクロコスモスがどこかで近似しうるということだった。「私」と「量子レベル」を一緒に語ろうとすることだった。

ふむ。物理学も面白そうだね。


追記:「シュレディンガーの猫」を少し調べたんですが、かなり面白いですね。現在主流となっている「コペンハーゲン派」の解釈も「エヴェレット解釈(多世界解釈)」も、もっと詳しく知りたいわ。
シュレディンガーの猫がいっぱい―「多世界解釈」がひらく量子力学の新しい世界観 (カワデ・サイエンス)