住基ネットからの個人離脱を認める

住基ネットからの「個人離脱」認める…金沢地裁

住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はプライバシー権を侵害し違憲だとして、石川県内に住む28人が国や県、住基ネットを管理する「地方自治情報センター」を相手取り、個人情報の住基ネットからの削除や損害賠償などを求めた訴訟の判決が30日、金沢地裁であった。
井戸謙一裁判長は「住基ネットからの離脱を求めている原告らに適用する限りにおいて、憲法13条(個人の尊重)に違反する」とし、石川県と同センターに対し、原告の個人情報の削除、行政機関等への情報提供差し止めを命じた。慰謝料請求については棄却した。(読売新聞)

憲法13条は以下の条文。

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

判決理由を補足しますと

  • 憲法13条が保障するプライバシー権には自己情報コントロール権が重要な一内容として含まれ、住基ネットがそれを侵害している
  • 住民が行政機関の前で丸裸の状態で、人格的自律が脅かされることは容易に推測できる
  • 住基ネットの行政事務の効率化自体は正当な行政目的であるが、プライバシーを犠牲にしてまで達成すべき必要性があるとは言えない

「自己情報コントロール権」というのは、個人情報をどのように扱うかを自分で決める権利のことです。つまり判決は、住基ネットはプライバシーを侵害しているので、自己情報コントロール権の観点から抜けたい者は抜けてもokと言ってるのですね。
この問題に関しては、『国家に隷従せず』(斎藤貴男)を読んでから長々と書きますね。昨年末に買ったのに、まだきちんと読んでなかったわ。タイトルが凄く好き。