『造形思考』パウル・クレー

『造形思考』パウル・クレー
今回はパウル・クレーの『造形思考』。恥ずかしながら、この方を存じ上げませんでした。世の中、知らないことがイッパイね。恥掻いてばかりね。
以下、分からないなりに精一杯試みた要約。
「芸術とは目に見えるものを再現することではない」というクレーの有名な言葉がある。これは「自由に描いてよい」という意味ではなく、「見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにするのが芸術の本質である」と言う意味。
目の前の何かを見ている時、アタマの中にイメージが浮かぶ。そのイメージを取り出そうとする時、「分節」が始まる。デッサンやデザインなら紙の上に書くことでイメージを取り出す。音の場合は、ピアノを弾いたりハミングしたり楽譜に落とし込んだりすることでイメージを取り出す。そのように頭の中にあるイメージを別のメディアに取り出すことで、先に進んでいくのである。
卑近な例で言えば、私が「千夜千冊」を読む度に要約をブログに書くのは、頭の中にあるイメージを分節して取り出すことで、理解を深め先に進もうとするからである。
それらを前提にして、「イメージそのものに分節が内在する」とクレーは考えたのである。
クレーの『造形思考』は絶版らしいので、図書館で探しましょ。