保守的な新ローマ法王

From Hitler Youth to the Vatican
ガーディアンの記事を読んでみた。
英語の文章は久しぶりだから、単語を調べるのにやや時間を費やしてしまった*1
英文は引用、カッコ内の日本語は私の訳ね。
ベネディクト16世の経歴を紹介する記事で、ヒトラー・ユーゲントに所属していた事実は全然重要視されていない。「he could not have avoided military service in the circumstances」(その環境で軍務を避けることはできなかった)とある。当時のドイツでは致し方ないことだろうし、私もその点をとやかく言うつもりはない。
かつてはリベラルだったラッツィンガーは1968年の学生運動以降、信仰を守るために保守的になる。

In 1981, Pope John Paul called him to Rome to take over the Congregation for the Doctrine of the Faith. It is the department that was once known as the Holy Inquisition.

Ratzinger's defence of conservative orthodoxy has been part of his job. But it has not made him popular, especially in more progressive corners of the faith.

An opinion poll in the German newspaper Der Spiegel found opponents of his election as pope outnumbering supporters by 36% to 29%.

It was an open secret before the conclave that all but two of the German bishops were opposed to his candidacy

(1981年、教皇ヨハネ・パウロに「the Congregation for the Doctrine of the Faith」を任される。そこはかつて異端審問所として知られた部門だった。
保守的な正統派を守ることは、ラッツィンガーの仕事の一部だった。しかし、彼は人気を得られなかった。特に信仰に対してより進歩的な立場の人々に。
ドイツの「Der Spiegel」紙の世論調査では、教皇に選出されることに反対が36%、支持が29%だった。
ドイツ人司教のうち、2人を除いて全員が彼の立候補に反対していたことは、公然の秘密であった。)
訳に間違いはないはず…
「the Congregation for the Doctrine of the Faith」というのは、カトリックの教義及び道徳の保持と促進を任務とする省。
ベネディクト16世に関して保守的とは聞いていたけど、かなり厳格な人のようです。では、なぜこのように厳格で不人気な人が選ばれたのか。
元気のない教会にとって、「教会の"filth"(汚物)を一掃しよう」と熱く訴えかける彼はとても心強いそうだ。また、3年前に「dean of the College of Cardinals」(枢機卿大学の学部長、でいいのかな)に就任したことで、大きな影響力を持ったらしい。
保守的なベネディクト16世に、ガーディアンはかなり批判的な感じがする。
私はカトリック教徒ではないので「お好きにどうぞ」って感じなのだが、信仰を遵守することで生活に支障をきたすようなら、好ましくないように思える。

*1:先日高校のクラス会で「英語得意だったよね」と言われた。そう言えばそうだったよな…通ってた大学も、世間的には英語の得意な人間が集うイメージがあるし。