「9.11 最後の真実 アメリカ同時多発テロ」

2006年にアメリカで放送された、同時多発テロの再現ドラマ。主演のハーヴェイ・カイテルが、FBIのテロ対策責任者オニールを演じている。
1993年のワールドトレードセンター爆破事件以来、FBIやCIAはアルカイダとの戦いを繰り広げていた。捜査の過程で得た情報から、何か大規模なテロが起きることを事前に掴んでおきながら、有効な対策を打たなかった、というお話。
ヴィン・ラディンをあと一歩で捕獲できるという時にCIA長官がビビったり、ナイロビの米大使館が危ないという情報が寄せられた時、何も対策を打たず爆破テロの被害を拡大させる結果になったり、アルカイダ幹部が集まる場所を空爆する際に、当時の国務長官オルブライトがパキスタンに情報を流したり、9,11の前に大規模テロの可能性を把握しておきながら、コンドリーザ・ライスがテロ対策チームを縮小していたり。
「9.11を防ぐチャンスはあったのに、政府が状況認識を誤り、決断を下さなかった」ということを言いたいようです。偉い人が現場の意見をスルーして悲劇を生むのは、古今東西よく聞く話ですな。でも、今までならスルーしていた情報に過敏に反応した結果、二つの戦争が勃発したわけで、ここら辺はさじ加減の難しさとでも言いましょうか。何とも言えん。とにかくドラマとしてはよく出来ていたけれど、目新しい情報はなかったかな。
白水社から高い本が出てたから、それ買って読むか。