犬童一心『タッチ』

お次は『タッチ』。原作はあだち充の漫画で、私は小学生の時に全巻揃えた。甲子園を夢見ていた私としては、『タッチ』はまさにバイブルであり、高校に入ったら南ちゃんみたいな彼女が出来るもんだとばっかり思っていた。しかし現実とは残酷なもので、故障を繰り返した私には暗黒の高校生活となってしまった。しばらくはそのことを引きずっていたのだが、ある時に思い出の全てを切り捨てた。だから『タッチ』を見ながら、「切り捨てたものがここにある」ってな気分になった。
まあ、どうでもいい。捨てたものに未練はない。
上杉兄弟は斉藤祥太・慶太。『タッチ』を映画化するなら斉藤兄弟かな、と思っていたのでこの配役に異論はない。ピッチングフォームもそこそこ様になってたし。
南ちゃんは長澤まさみ長澤まさみは本当に可愛い。と言うか、この映画は長澤まさみ以外に見所がない。
全26巻の筋を軽く追ったストーリー展開で、凄く散漫な印象。はっきり言って、面白くない。登場人物の印象が薄すぎて、誰にも感情移入できない。『NANA』を見た直後なだけに、マズイ部分が際立ってしまった。