大谷健太郎『NANA』

目黒シネマで『NANA』『タッチ』の二本立てを観てきた。
1本目は『NANA』。原作は矢沢あいの漫画で、私もいずれ読むつもり。もっとも「いずれ読むつもり」の本は無数にあるので、いつになるかは全く分からん。キャストは、小松奈々役が宮崎あおい、大崎ナナ役が中島美嘉。妹に言わせると「キャストが原作のイメージと違う」そうな。まあ、妹も一応「ナナ」なので思い入れがあるのだろう。
2人の「ナナ」が主人公であるわけだが、物語は小松奈々のモノローグで始まり、小松奈々の視点で進む。と思いきや、そこに時折、大崎ナナの回想シーンが挿入される。なぜ小松奈々は語り、大崎ナナは回想するのか。これは二人の性格の違いに起因するのだろう。お喋りな小松奈々にはモノローグで語らせ、自分の気持ちを口に出さない大崎ナナには過去を回想させる。その証拠に、大崎ナナが自分のことを初めて打ち明けた後、回想シーンに大崎ナナの語りが入った。
「性格の違い」と書いたが、二人の「ナナ」はあらゆる面で対照的である。分かりやすくまとめると…

  • 小松奈々(宮崎あおい)…女の子、犬っぽい、白くてかわいらしい服、恋愛至上主義、寂しがり屋、男がいないとダメ、結婚を夢見る
  • 大崎ナナ(中島美嘉) …男っぽい、猫のよう、黒くてバンドっぽい服、プライドが大事、孤高、自立した一人の女、歌に懸けてる

こんなに対照的な2人が共同生活を送るわけだが、破綻するどころか、とてもうまくいくのである。お互いの個性を存分に発揮し合い、補い合いながら。
エピソードを詰め込みすぎることなく、うまくまとまっていた。原作を読んでない私でもとても楽しめた。中島美嘉伊藤由奈は本物の歌い手だから、ライブのシーンも見応えあるし。
とにかく、宮崎あおいが可愛かった。