行定勲『きょうのできごと』

鑑賞。出演は妻夫木聡田中麗奈伊藤歩柏原収史池脇千鶴。監督は行定勲。原作は柴崎友香
正道(柏原収史)が京都の大学院に進学した。彼の新居に友人達が集まり、引っ越し祝いを開く。中沢(妻夫木聡)の彼女・真紀(田中麗奈)は酔っ払って西山の髪を切り始め、けいと(伊藤歩)は男前のかわち(松尾敏伸)に喋り続ける。そこにクジラが座礁した話や、ビルの隙間に男が挟まってしまった話が挿まれる。
私は1年ほど前に原作を読んだ。章ごとに視点人物が変わり時間軸も前後する群像劇で、特に何かが起こるわけでもないのだが、何気ない会話や日常に惹かれた。原作において視点人物の変更は大きな転換なのだが、ある程度原作に忠実に作られたこの映画を見ると、それが普通のことに思えた。ここら辺が小説と映画の違いなのだろう。行定勲は、クジラの座礁やビルに挟まれた男を挿入することで、動きをつけたのかな。長回しが多用されていた。
何気ない日常を構成する役者たちが、またいいんですわ。関西弁の会話に引き込まれる。今日という1日には沢山の出来事があり、そんな取りとめのない1日がいとおしい。そんな映画。

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

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