「子は鎹」

毎週欠かさず見ていた『タイガー&ドラゴン』も今日が最終回。ドラマの最終回って、「結末を知りたい」という好奇心と「ああ、もう終わりか」という寂しさが混ざり合った、複雑な感情になりますね。
ウルフ商会に殴りこんだ虎児(長瀬智也)は警察に捕まり、そのせいで林屋亭はマスコミに叩かれた。月日は流れて3年後。再び林屋亭に入門した竜二(岡田准一)は稽古を重ね、ついに真打に昇進し、「七代目林屋亭どん兵衛」を襲名することになった。名前を譲った師匠(西田敏行)は「林屋亭小虎」を名乗る。虎児に裏切られた師匠は依然怒りが収まっていないのだが、本音では息子同然に扱っていた虎児に帰ってきて欲しかった。その頃虎児は出所するのだが、新宿流星会を継いだ銀次郎(塚本高史)には追い返され、居場所を失っていた。果たして虎児は、林屋亭に帰ってこれるのか…
どん太(阿部サダヲ)は今日も一発ギャグを連発してました。阿部サダヲには、このキャラクターでバラエティ番組に出て欲しいですね。また、谷中家の面々が「ナン」で和食を食べるシーンは、私の記憶に残り続けるでしょう。
親分(笑福亭鶴瓶)と師匠の虎児に対する愛情には、胸を打たれますね。落語やギャグが目立つドラマですが、一貫して親子の愛情の物語でしたね。そう思って振り返ると、西田敏行の凄さが分かります。
好きなものに徹底的に打ち込む虎児の姿もよかったですね。元をたどれば、師匠の高座に魅了され、ヤクザでありながら落語家に弟子入りしたわけです。「素質がない」「話が面白くない」と言われながらもオリジナルのスタイルを確立し、人気を集めるようになる。最終回では、刑務所の中で落語の本を読み漁っていたことが明らかになります。「好きなら頑張れよ」という、クドカンからのメッセージが伝わってきました。