『ベルニーニ』石鍋真澄

『ベルニーニ』石鍋真澄
今回は、石川真澄の『ベルニーニ』。本の紹介と言うよりは、バロックとベルニーニの解説ですね。以下、一部を要約。
バロックは、20世紀半ば過ぎまで正当な評価を受けてこなかった。悪趣味・奇矯・風変わりといった形容を伴うことが多かった。
バロックを芸術に絞って考える前に、16世紀末に勃興した「バロック思想」を見ていくと、バロックの本質が分かる。バロックは13世紀以来の世界観に大きな変更を迫った思想である。

すなわち、バロック思想とは「神がいる宇宙」のなかの限界ぎりぎりの世界を提示した思想だというべきなのである。
―略―
ルネサンスの神が静的であるとすれば、バロックの神は動的な神なのである。

松岡氏のページには、ベルニーニ作品の画像が幾つか載せられている。この中でも、特に『聖テレサの法悦』と『福女ルドヴィカ・アルベルトーニ』に私は惹きつけられました。その官能的な表情が、画像を通して伝わってきます。ぜひ現地に行って本物を見たいです。