電車脱線マンションに激突

電車脱線マンションに激突、37人死亡220人けが

25日午前9時20分ごろ、兵庫県尼崎市潮江4のJR福知山線塚口―尼崎駅間の第1新横枕踏切の手前で、宝塚発同志社前行き快速電車(7両)の全車両が脱線、1、2両目が横転するなどして線路脇にはみ出し、先頭車両はマンションに激突、大破した。
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快速電車は脱線後、線路脇の乗用車に衝突。さらに1両目が線路東側のマンション1階に激突した。2、3両目は1両目を押しつぶすような形で次々に脱線、横転した。1両目は客車部分と車輪部分が分離し、客車部分は銀色の車体がL字型に折れ曲がり、あめのようにひしゃげた。
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衝突現場から南約20メートルに設営された尼崎市消防局のテントには、全身血まみれの乗客が毛布にくるまれて担架で次々と運びこまれた。

ブルーシートの上に寝かされた乗客らは、血が止まらずズボンや服が真っ赤に染まっていた。顔にガラスやプラスチックの破片が刺さっている人もいた。

うつぶせで片ひじをついたまま動かないサラリーマン風の男性は、ネクタイがちぎれ、「何や、これ」と声を上げた。顔中血まみれで、目の開けられない女性は「だれか…」とうめいた。骨折したのか、右腕と右足を包帯でつった男性は目を閉じたまま、動かない。
(読売新聞)

現場の様子が生々しく報告されている。
お昼から夕方にかけてのテレビは軒並み報道特別番組だった。私はテレビを点けっぱなしにして英単語を調べていた。時間の経過とともに、死者の数が増えていった。事故発生時の車内の様子を想像し、悲しくなった。
現時点(午前2時)で、死者の数は58人だと言う。
死亡58人・負傷441人、まだ車内に多数の乗客
日常に突如として現れた悲劇。被害者が事故車両に乗り合わせたのは偶発的で、運が悪かったとしか言いようがない。誰もが遭遇する可能性のある、不条理な事故。私たちの暮らす社会は、案外脆いのかもしれない。

快速電車は現場手前の伊丹駅で約8メートルオーバーランし、バックして停車。約1分30秒遅れで運行していた。

現場は右カーブで、制限速度は時速70キロ。県警の聴取に対し、快速電車の松下正俊車掌(42)は「いつもより速度が出ている感じがした」と証言している。

高見運転士は、運転歴11か月。

推測でものを語るのは避けなくてはいけない。しかし、もし遅れを取り戻すためにスピードを出し過ぎ、このような大惨事が起きたのだとすれば、被害にあった方々はやりきれないだろう。