『母権制』ヨハン・ヤコプ・バハオーフェン

『母権制』ヨハン・ヤコプ・バハオーフェン
今回はバッハオーフェンの『母権制』。
バッハオーフェンは多くの肩書きを持ち、後の人々に多大な影響を及ぼしたらしい…まあ、よく知らんのですよ、私。
彼は旅行先の装飾絵画を見て、まだ誰も想定することのなかった「母権社会」の存在に気づいた。文献を読み直し、古代遺跡を回り、推理を働かせた。
以下、簡単にまとめる。
最初に、「ヘテリズム」という社会形態が存在した。

最初に自在で無規律な乱婚的な社会があったにちがいない。これは「ヘテリズム」と名付けられた。ヘテイラ(遊女)の社会という意味である。古代ギリシアではヘテイラは職業的遊女のことではなく、婚姻することなく多数の男性と交わる女性のことをいう。

全然知らなかったわ、そんな社会があったとは。
その後「アマゾンの社会」→「デメーテルの社会」(グレート・マザーを中心とした母権社会)→「ディオニソスの社会」→「アポロンの社会」(父権社会)と推移する。
興味深いのは「ディオニソスの社会」だ。
ディオニソスは酒神であり、ファロス(男根)の象徴である。

この時期、まだグレートマザーのもとにいた女性たちもついつい男性愛の獲得をめざすようになったのである。
この変化はたいへんに興味深い。女性がアプロディティ的な美しさや官能をめざす転換がおこったからである。

男性に好かれようとして、美を追求するようになったのですか。ふむふむ。
バッハオーフェンの研究はユング派に受け継がれているようなので、ユング派のものを読んでみますかな。