テレンス・マリック『ツリー・オブ・ライフ』

テレンス・マリックにとって6年ぶりの新作。一言で言えば、西洋の宗教画を見たような体験だった。美術館や雑誌で宗教画を見た時、「何だか分からんけど、とにかく壮大で美しいな」と思うのと同じように感じた、ということです。
ショーン・ペン演じるジャックが子供時代を振り返るお話で、とりわけブラッド・ピット演じる父親との確執が中心になる。振り返ると言ってもそのスパンはハンパなく、宇宙創生から惑星の誕生、恐竜が滅びる隕石の衝突までもが、ダイナミックかつ美しい映像で綴られる。
そろそろ父となる身としては、保守的で威圧感のあるブラッド・ピットの父親ぶりに、思うところが多かった。彼なりに息子たちのことを考えての厳しさだとは思うが、他にやりようがあるんじゃないかなぁ。