「ゼロの焦点」見てきた

公開初日に映画見るなんて初めてですわ。
中谷美紀が凄かったわ。演技がキレてたよ。どのぐらいキレてたかって言うと、全盛期の伊藤智仁のスライダーぐらいキレてたな、あれは。で、中谷美紀のキレキレ演技によって何が生じたかと言うと、ヒロイン広末の存在感の希薄化。ヒロインに感情移入できないものだから、結末でヒロインが「あなたは私の夢を奪った」と言うシーン、いまいち迫ってこないんだよなぁ。あと、終盤にヒロインが次々と真相を見抜く辺りも、違和感がある。あれだけの証拠で、あのヒロインがあそこまで真相に迫るとは思えない。「女の勘」ってことかしらね。
昭和30年代の日本が細かく再現されていて、そこは素直に凄かった。お金かかっただろうなぁ。
荒れる日本海とか、主人公が列車に揺られて真相を探りに行くとか、当たり前の話だけど「清張っぽいなぁ」と感慨深かった(野村芳太郎監督の「砂の器」、ビートたけし主演の「点と線」ぐらいしか見てないけど…)。ストーリー自体も面白かっただけに、ヒロインをもう少し丁寧に描いてほしかったなぁ。
ゼロの焦点 (新潮文庫)澁澤龍彦 日本作家論集成 上 (河出文庫)澁澤龍彦 日本作家論集成 下 (河出文庫)思い出を切りぬくとき (河出文庫)正岡子規 (ちくま日本文学)
ゼロの焦点』(松本清張)
澁澤龍彦 日本作家論集成 上下』(澁澤龍彦)
『思い出を切りぬくとき』(萩尾望都)
正岡子規―ちくま日本文学040』(正岡子規)