「現代フランス文学 受容と展開―ヴァレリー、コクトーの未公開草稿を中心に」を見てきた

朝日新聞で紹介記事を見たので、丸善丸の内本店のギャラリーまで見に行きました。1000円で図録を買ったので、パラパラとめくりつつ感想を。
「第22回慶応義塾図書館貴重書展示会」ということで、図書館所蔵の資料が展示されていました。ボードレール悪の華』の初版(1857年、プーレ=マラシ・エ・ド・ブロワーズ社)、日本で最初に翻訳されたフランス文学である『新説八十日間世界一周』(川島忠之助訳、1878年慶応義塾出版社)、上田敏翻訳の『海潮音』(1905年、本郷書院)などの稀覯本サルトル西脇順三郎ポール・エリュアールなどの自筆原稿。三島由紀夫ジャン・コクトーに宛てた自筆献辞。と、フランス文学にまつわる資料が色々あり、「ほほう」と唸らされました。目の前にあるものが、時空を超えて遺されている感慨、とでもいいましょうか。
展示会のメインは、ヴァレリーが恋人のヴォワリエ夫人に送った恋愛詩篇「コロニラ」を含む書簡。慶応義塾が1982年に手に入れたものの、遺族が公開を拒んでいたらしく、今回が遺族の承諾を得て初めての公開だったそうです。一番度胆を抜かれたのが、「女性の秘所にささげるオマージュ」。詩篇のそばには教科書の落書きのように、女性の裸体が薄く書かれているのです。確かに、自分の死後これを公開されたら嫌だろうね…
入場無料ですし10月6日まで行われていますから、オアゾに行く機会があったら、寄ってみてはいかがでしょう。
自由への道〈2〉 (岩波文庫)
『自由への道 2』(ジャン=ポール・サルトル)
本当はヴァレリーの『ムッシュー・テスト』を買いたかったんだけど、置いてなかったのでサルトルを。
それにしても丸善丸の内本店は品揃えが凄すぎる。本屋に来て「ここにある本を全部買い占めたい」という妄想を抱いたことは何度かあるが、「この店を買いたい」と思ったのは初めてだ。俺が全盛期のマイケル・ジャクソンならそうする。