スティーブン・スピルバーグ『宇宙戦争』

5本続くとさすがにキツイ。
原作はH.G.ウェルズ。1938年にオーソン・ウェルズがラジオドラマ化。放送を聞いていた人々は火星人が本当に襲来してきたと信じ、全米がパニックに陥ったというあの『宇宙戦争』です。オチはかなり有名ですよね。ここでは言いませんけど。
エイリアンが襲来してきた映画として、『インディペンデンス・デイ』と共通項が多いかもしれない。しかし、両者には決定的な違いがある。それは視点である。この『宇宙戦争』では、主人公のトム・クルーズが2人の子供を連れて逃げ回る。観客は常にトムの視点で映画を見続ける。世界が混沌に陥ってゆく中、観客が知り得る情報はトムが知り得る情報に等しい。『インディペンデンス・デイ』で言うウィル・スミス、ビル・プルマンジェフ・ゴールドブラムのようなヒーローは『宇宙戦争』には出てこない。トムはひたすら逃げる。そこで優先されるのは家族(子ども)の命であり、戦うことや敵を倒すことはどうでもいい。ここにリアリティが宿っている。
「9・11」という観点からいくらでも語れるのだろうが、頭が回らん。
最後にこれだけは言わせて。知的で美しいダコタ・ファニング(10歳の娘役)が、伸び悩むことなく大女優になりますように。ジョディのように。

宇宙戦争 [DVD]

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