佐世保小6女児同級生殺害事件から1年

娘の記憶「胃が熱くなる」 小6女児事件1年で手記共同通信

長崎県佐世保市の小6女児事件の被害者の父親、御手洗恭二さん(46)が31日、事件から1年を迎えるに当たって手記を公表した。

「前触れなしに娘の記憶がよみがえり、胃の中が熱くなる」か…家族を失った傷の深さが伝わってくる表現ですね。御手洗さんは事件の原因を知るために、数多くの資料を読んだそうです。さすが新聞記者、という感じですね。

読み進めるうちに、事件を起こした理由は「彼女自身も分からないのでは」との感覚を持つようになり「底の見えない暗い井戸をのぞき込むような空恐ろしさ」を感じているという。

この部分を読んで、「ああ、信頼できるな」と感じました。理解可能な答えを見つけて安心するのではなく、徹底的に問題の本質を掘り下げている気がします。この事件は当初、「『バトルロワイヤル』の影響が強い」と報じられていました。御手洗さんは、「そんな単純なことではない」という境地に達したのでしょう。

1年…後悔芽生え 佐世保小6同級生殺害 加害女児に変化西日本新聞

長崎県佐世保市の小六女児同級生殺害事件で、児童自立支援施設に送致された加害女児(12)が、今年に入って「自分のやったことを後悔している」などと事件に触れる発言をしていることが三十日、関係者の話で分かった。

ふむ。今年に入って「後悔している」「反省している」という言葉が出るようになったそうです。家裁は加害女児を「他者の視点に立って感情や考えを想像し共感する力が育っていない」と分析していたのか。

太宰治の小説「走れメロス」を読んで「友情の大切さを感じた」と漏らすなど他人を思いやる心理ものぞかせているという。

小中学校で読書感想文の宿題が出たとき、もちろん私自身が感じたことを書くのだけれど、そこには「先生が気に入ってくれるか否か」というフィルターがかかる。「『走れメロス』を読んでどう思ったか」って、あまり当てにならない気がするけどね。